階段を下りるとき、膝にぎゅっと力が入る感覚

2026年09月14日

横浜市緑区白山にある、はくさん和鍼灸整骨院です。

階段を下りる瞬間、膝の奥がぎゅっとこわばる。そんな感覚を抱えたまま日々を過ごしている方は少なくありません。今日は膝の変形性の変化と、その背景にある「力の入れすぎ」というもうひとつの視点についてお話しします。当院にいらっしゃる方のお話を伺っていても、思い当たる方は多いのではないかと感じています。季節の変わり目や忙しさが続いた時期に、こわばりを強く訴える方が増える印象もあります。

膝という要の関節

膝は歩く、立つ、しゃがむといったあらゆる動作を支える要の関節です。加齢や普段の負荷の積み重ねで軟骨がすり減り、痛みやこわばりが出てくる状態を変形性膝関節症と呼びます。中高年の女性に多く見られると言われますが、家事や仕事で身体を酷使してきた方であれば年代を問わず起こりうるものです。東洋医学では、関節まわりの気血が滞ると重だるさやこわばりが強まると考えますが、西洋医学の研究でも興味深い報告が出てきました。

2026年、Preece氏らが発表したフィージビリティ研究(Osteoarthritis and Cartilage Open誌)では、膝OAの方が階段の昇降や立ち上がり動作の最中、膝まわりの筋肉を必要以上に固めていることが多いと報告されています。痛みを避けたい気持ちが、かえって身体を守ろうとする力みを生み、その力みが巡りを妨げてしまう。そんな悪循環が起きているのかもしれません。試験自体はまだ小さな規模のものですが、痛みそのものよりも「動きの癖」に目を向けるという発想は、東洋医学が大切にしてきた身体全体を診るという考え方とも重なる部分があります。

こんな症状に心当たりはありませんか

  • 階段を下りるとき膝の内側にズキッとした痛みが走る
  • 朝起きて最初の数歩がこわばって重い
  • 座っている時間が長いと立ち上がる瞬間に膝が固まる
  • 正座や和式トイレでのしゃがみ込みがつらい
  • 夕方になると膝まわりがだるく、熱っぽく感じる
  • 気圧が下がる日や冷える時期に、こわばりが強く出る
  • 立ち仕事の後、ふくらはぎから膝にかけて張った感じが抜けない

天候や体調によって波があることが多く、ご自身でも「なぜこの日だけつらいのか」と戸惑う方もいらっしゃいます。同じ動作をしても、寝不足の翌日や忙しさが続いた週末など、身体が疲れているときほど症状が強く出ると感じる方も少なくありません。

気血の滞りとして考えられる背景

軟骨の変化そのものに加えて、無意識のうちに膝をかばい続ける筋肉の緊張が、痛みを長引かせる一因になっているという見方があります。東洋医学的に言えば、緊張が続くことで気血の流れが滞り、栄養や熱が行き渡りにくくなった状態です。冷えやすい方、疲れがたまりやすい方は、この滞りがより強く出やすい傾向があります。また、痛みを何度も経験するうちに「この動きは怖い」という感覚が強まり、必要以上に身体をこわばらせてしまうことも少なくありません。原因はひとつではなく、体質や生活リズム、心身の疲労度によっても現れ方が違ってきます。ストレスが続いているときほど、肩や首だけでなく膝まわりまで力が抜けにくくなるという方もいらっしゃり、心と身体のつながりを感じさせられる場面です。

暮らしの中に潜む冷えと負担

一日中座りっぱなしのお仕事や、家事で中腰姿勢が続く生活は、股関節や骨盤まわりの動きを鈍らせ、膝だけで体を支えようとする癖につながります。身体が冷えていると筋肉はさらにこわばりやすくなるため、季節の変わり目や冷房の効いた環境で症状が強まる方も少なくありません。夜遅くまでの立ち仕事や、湯船に浸からずシャワーだけで済ませる習慣が続いている方も、身体の温まりにくさから膝の重だるさを訴えることが多いように感じます。食事の内容や睡眠の質も、身体の回復力を左右する要素として無視できません。冷たい飲み物を日常的にとる習慣がある方や、薄着で過ごす時間が長い方も、下半身の冷えから膝まわりの緊張を強めやすい傾向が見られます。子育てや仕事に追われて、自分の身体を後回しにしてしまう方が多いのも、当院にいらっしゃる方に共通して感じることのひとつです。

ご自宅でできる気づきのヒント

普段の生活の中で、簡単にできる確認方法があります。階段を下りるとき、膝から下だけでなく、太ももや足の裏にどれくらい力を入れているか、少し意識を向けてみてください。ぎゅっと踏ん張るような感覚があるなら、それは身体が無意識に守りに入っているサインかもしれません。力を抜こうと頑張る必要はなく、まずは「気づく」ことから始めてみましょう。呼吸が浅くなっていないかを確認するのも、ひとつの手がかりになります。深く息を吐きながら動くと、力みがふっとゆるむ瞬間に気づく方もいらっしゃいます。肩や首にも余計な力が入っていないか、あわせて確認してみると、身体全体のこわばりに気づきやすくなります。

東洋医学の視点から見た研究の意味

今回の研究は、あくまで新しい方法が実施できるかどうかを確かめる小さな一歩の段階です。参加された方の人数も限られており、効果の大きさをはっきりと断言できる段階ではありません。それでも、痛みという結果だけでなく「動きの癖」という過程に目を向ける姿勢は、身体を部分ではなく全体としてとらえる東洋医学の考え方と響き合うところがあります。当院では、この視点を鍼灸や手技といった従来のアプローチと組み合わせながら、身体の巡りと動きの癖の両面から向き合うことを大切にしています。ひとつの技法にこだわるのではなく、その方の体質や季節、生活リズムに合わせて手技と鍼灸の配分を調整していくことも意識しています。

放っておくと巡りはどうなるか

こわばりや痛みを我慢して動かす機会を減らしていくと、周囲の筋肉が硬く弱くなり、余計な力みでかばう動きがさらに癖づいてしまいます。滞りが慢性化すると、膝だけでなく腰や足首など離れた部位にまで負担が波及することもあります。身体を動かすこと自体を避けるようになると、めぐり自体がさらに滞りやすくなり、冷えやだるさが全身に広がってしまうケースも見受けられます。眠りが浅くなったり、朝の目覚めがすっきりしなくなったりと、膝以外の不調につながっていく方も少なくありません。

はくさん和鍼灸整骨院の施術

はくさん和鍼灸整骨院では、まず歩行や階段の昇り降りを実際に見せていただき、どの動きで力みが強く入るかを確認します。そのうえで手技によって硬くなった筋肉をゆるめ、鍼灸で滞った部分に働きかけながら、身体の声に耳を傾けるような施術を心がけています。施術のあとにもう一度同じ動きをしていただき、力の抜け方や身体の軽さがどう変わったかをご自身でも感じていただくようにしています。初めてお越しになる方には、まず普段の生活リズムやお身体の冷え具合を丁寧に伺い、その方に合った施術のペースをご提案しています。ご自宅では、湯船にしっかり浸かって冷えを取ることや、無理のない範囲で膝まわりを動かす習慣、温かい飲み物で身体の内側から冷やさない工夫もお伝えしています。※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。

緑区白山からお越しの方へ

「歳のせいだから」と諦める前に、力みの癖や身体の巡りを見直すことで変わることもあります。ひとりで抱え込まず、まずはお身体の状態を聞かせてください。緑区白山周辺にお住まいの方、慢性的な膝のだるさや痛みでお困りの方は、はくさん和鍼灸整骨院までお気軽にお越しください。

身体と向き合うために

変形性膝関節症の背景には、軟骨の変化だけでなく無意識の力みや滞りが関わっていることがあります。日々の生活の中で膝に力を入れすぎていないか、身体全体の調和を意識してみることが、こわばりを和らげる手がかりになるかもしれません。忙しい毎日の中でも、ふと自分の身体に耳を傾ける時間を持っていただけたらと思います。

参考文献

Preece SJ, et al. “Cognitive Muscular Therapy for Knee Osteoarthritis: A Feasibility Randomized Controlled Trial.” Osteoarthritis and Cartilage Open, 2026. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42011335/

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