身体が「助けて」とサインを出しているかもしれません ── 捻挫・打撲・挫傷と、気血の巡りを取り戻すためのはなし
2026年06月25日
横浜市緑区白山にある、はくさん和鍼灸整骨院です。
スポーツ中に足をひねった、転んで膝を打った、重いものを持ち上げた瞬間に太もものどこかがピキッとした——そうした経験をされた後、「腫れているし、しばらく様子を見よう」「冷やして安静にしていれば落ち着くだろう」と思われていませんか?
打撲・捻挫・挫傷は、誰にでも起こりうる身体のサインです。それは「今、この部分が限界を超えているかもしれない」という、身体からの声でもあります。はくさん和鍼灸整骨院では、こうした急性のケガを単なる「組織の傷」としてだけでなく、身体全体の気血(きけつ)の流れが乱れたサインとして捉え、整えるアプローチを行っています。
今回は、軟部組織損傷(打撲・捻挫・挫傷)の特徴と、最新の研究から得られた知見をもとに、当院のケアの考え方をお伝えします。
軟部組織損傷とは——東洋医学的な視点から
「軟部組織損傷」とは、骨以外の部分——筋肉・腱・靭帯・関節包などが傷ついた状態の総称です。
- 打撲:外からの強い衝撃で、筋肉や周辺の組織がダメージを受けた状態
- 捻挫:関節が無理な方向に動かされ、靭帯・関節包が引きのばされたり傷ついたりした状態
- 挫傷:筋肉や腱が急激な力を受けて損傷した状態(いわゆる「肉離れ」もここに含まれます)
現代医学的には「組織の損傷」として捉えられますが、東洋医学的な視点からは、これらは「瘀血(おけつ)」——血の巡りが滞り、局所に余分なものが留まった状態と捉えることができます。腫れ・熱感・痛みという症状は、まさにその表れです。受傷の直後だけでなく、その後の「巡りの回復」を丁寧に整えていくことが、当院で重視していることのひとつです。
こんな状態、心当たりはありませんか
以下のような症状や状態に心当たりがある場合は、身体がサインを出しているかもしれません。
- 受傷した部位が腫れていて、触ると熱い感じがある
- 押すと鋭い痛みがある
- 体重をかけると、じんじんとした痛みが出る
- しばらく経っても「なんとなく重だるさ」や「ぐらつき感」が続いている
- 同じ部位を何度も傷めてしまう
- 以前ケガをした部位が、冷えると違和感として残っている
- 疲れたときや季節の変わり目に、古傷の部位が疼くことがある
- ケガをした部位をかばううちに、他の部位も張ったり痛くなってきた
特に「何度も同じ場所を傷める」「古傷が冷えると痛む」という場合は、回復が不完全なまま日常に戻ってしまっているサインかもしれません。身体の声に耳を傾けてみてください。
回復を整えるために知っておきたいこと——最新研究から
2020年、British Journal of Sports Medicine(英国スポーツ医学誌)に掲載された論文「Soft-tissue injuries simply need PEACE & LOVE」(Dubois & Esculier, 2020)では、これまで広く使われてきた「RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)」アプローチに代わる新しい考え方が提唱されました。
この研究が特に注目を集めたのは、「炎症反応そのものが修復に必要なプロセスである」という点を重視し、炎症を過度に抑えることがかえって回復の妨げになりうることを指摘したからです。身体には、傷ついた組織を自ら修復しようとする力が備わっています。それをいかに邪魔せず、引き出すかが、現代の考え方の中心になりつつあります。
急性期(受傷直後〜数日):身体の修復力を妨げない
この時期に意識したいポイントは「PEACE」と呼ばれます。
- Protection(保護):完全な安静よりも、痛みの範囲内で動かし続けることが、回復を助ける可能性があると示されています
- Elevation(挙上):患部を心臓より高くして、腫れによる液体の停滞を防ぎます
- Avoid anti-inflammatory modalities(炎症抑制処置の回避):炎症は身体が修復しようとしている自然な反応。過度に抑えると、修復のプロセスを乱す可能性があります
- Compression(圧迫):適切な圧迫で腫れをコントロールし、循環を整えます
- Education(理解と情報):自分の身体の状態を理解することで、回復への見通しと安心感を持つことができます
東洋医学的に言えば、この段階は「瘀血を散じる」プロセスに相当します。局所の気血の滞りを丁寧に解消し、身体の自然な流れを取り戻していくことが大切です。
亜急性期以降:巡りを取り戻していく段階(LOVE)
腫れが落ち着き始めたら、今度は「巡りを取り戻す」段階へと移っていきます。
- Load(漸進的な負荷):回復の程度に合わせて、少しずつ身体を使っていきます。組織の強さを取り戻すには、適切な刺激が必要です
- Optimism(前向きな姿勢):回復への前向きな気持ちが、身体の反応にも影響すると研究で示されています
- Vascularization(血流の促進):軽い有酸素的な動きで、患部への血の巡りを促します
- Exercise(段階的な運動):筋力・柔軟性・バランスを、無理なく段階的に取り戻していきます
生活習慣や体質が影響することもあります
同じような外力が加わっても、傷みやすい方とそうでない方がいます。
冷えやすい体質の方、もともと血の巡りが悪いと感じている方、疲れが溜まっているときに受傷しやすい方——東洋医学的に見ると、これらはいずれも「気血が不足または停滞しやすい状態」として捉えることができます。
また、長時間のデスクワークや、同じ姿勢での作業が続く方は、特定の部位に負荷が偏りやすくなります。こうした日常の積み重ねが、受傷リスクや回復の速さに関係している可能性があります。
生活習慣・体質・姿勢の偏りも含めて、身体全体を整えるという視点が、再受傷を防ぐうえでも重要と当院では考えています。
放置すると起こりやすいこと
急性期のケガを「様子を見ていれば自然に落ち着く」と放置すると、以下のような状態が続きやすくなることがあります。
- 瘀血(血の滞り)が解消されないまま慢性化し、冷えや鈍痛として残りやすくなる
- 損傷した組織が不完全なまま固まり、関節の動きに制限が出てくる
- 患部をかばう動きが習慣になり、膝・股関節・腰などに連鎖的な不調が生じる
- 同じ部位への再受傷リスクが高まる
- 季節の変わり目や疲労時に繰り返し不調が出やすい体質になりやすい
身体は「整えてほしい」というサインを出し続けています。そのサインを無視し続けると、より深い部分での不調につながることがあります。
はくさん和鍼灸整骨院での対応について
当院では、打撲・捻挫・挫傷でお越しいただいた方に対し、東洋医学と現代の手技の視点を組み合わせた対応を行っています。
状態の確認:どのような経緯でケガをされたか、どこにどのような症状が出ているかを丁寧に伺います。腫れ・熱感・痛みの状態を観察しながら、身体全体のバランスも確認します。
鍼灸によるアプローチ:急性期の炎症状態を確認しながら、局所の気血の滞りを解消する鍼灸施術を行います。経穴(ツボ)への刺激を通じて、身体の自然な回復の流れを整えます。
手技によるアプローチ:腫れが落ち着いてきたタイミングで、患部および周囲組織への手技を行います。関節や筋肉の動きを確認しながら、硬さが生じている部分を丁寧に整えていきます。
生活アドバイス:ご自宅でできるセルフケアや、日常生活での身体の使い方についてもお伝えします。冷え対策や、血の巡りを助ける習慣についてもご提案しています。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。
こんな方は、一度ご相談ください
- 打撲・捻挫・挫傷をした後、何をすればよいかわからない方
- 急性期が過ぎても違和感・冷え感・だるさが残っている方
- 同じ部位のケガを繰り返してしまう方
- 昔のケガの部位が、疲れや冷えのたびに気になる方
- ケガの後の「整え方」を、東洋医学的な視点も含めて考えたい方
- 慢性的な古傷の影響を感じており、根本から身体を整えたい方
まとめ
打撲・捻挫・挫傷といった軟部組織損傷は、身体が「巡りを整えてほしい」と発しているサインです。2020年の研究では、炎症反応そのものを修復の一部と捉え、過度な抑制を避けながら段階的に身体を動かしていく考え方が提唱されています。
はくさん和鍼灸整骨院では、東洋医学的な視点と現代医学の知見を組み合わせながら、あなたの身体の状態を丁寧に確認し、気血の巡りを取り戻すためのサポートを行っています。「急性期のケガをしっかり整えたい」「なんとなく古傷が気になる」「身体の声に耳を傾けて、根本から整えたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
参考文献
Dubois B, Esculier JF. Soft-tissue injuries simply need PEACE & LOVE. British Journal of Sports Medicine. 2020;54(2):72-73. doi: 10.1136/bjsports-2019-101253.


