肩の重だるさ・夜中の痛み ── 肩関節周囲炎と、気血の巡りを取り戻す施術のはなし

2026年07月13日

横浜市緑区白山にある、はくさん和鍼灸整骨院です。

「夜になると肩がうずいて、眠れない日がある」「朝起きると肩が重くてだるい感じがする」「腕を上げようとすると、途中でひっかかる感じがして不安になる」── そのような身体の声に、日々悩まれている方がいらっしゃるかもしれません。

こうした状態は、身体が「ここを整えてほしい」とサインを出しているかもしれません。今回は、肩関節周囲炎(いわゆる凍結肩・四十肩・五十肩)について、東洋医学的な視点と最新の研究知見を交えながらお伝えします。

肩関節周囲炎とは── 身体の「詰まり」として捉える

肩関節周囲炎は、肩を包む組織(関節包)に炎症や拘縮(こうしゅく)が起こり、肩の動きが大きく制限される状態です。英語では「Adhesive Capsulitis(凍結肩)」とも呼ばれます。

東洋医学の観点から見ると、こうした状態は「気血(きけつ)の流れが滞っている」ことのあらわれとして捉えることがあります。気血とは、身体の中を巡るエネルギーと栄養的な流れのことを指し、この巡りが滞ると組織に柔軟性が失われ、動きにくさや痛み・重だるさとして身体の外に現れてくると考えられています。

世界的な研究では、この状態は一般人口のおよそ1%前後が経験するとされており(Kirker et al., 2023)、珍しい不調ではありません。

身体が出しているサイン── こんな症状が見られることがあります

  • 腕を上げようとすると、途中でひっかかる感じや痛みがある
  • 後ろに腕を回す動き(エプロンの紐を結ぶ、ファスナーを上げるなど)がほとんどできない
  • 夜間、肩から腕にかけてじんじんとうずくような感覚がある
  • 朝起きると肩がこわばっており、動き始めに時間がかかる
  • 季節の変わり目や気圧の変化で、肩まわりの状態が変わる気がする
  • 肩だけでなく、首や背中にもだるさや重さを感じる

東洋医学では、こうした症状が「風(ふう)・寒(かん)・湿(しつ)」などの環境的要因が身体に入り込み、気血の流れを停滞させているサインとして解釈されることがあります。

※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。

身体の内側から見た原因── 東洋医学的な視点と現代研究の知見

現代医学の観点では、肩関節周囲炎は「関節包の炎症→組織の線維化・肥厚→癒着・拘縮」という流れで進行することが知られています。糖尿病や甲状腺の状態、ホルモンバランスの変化(更年期など)、肩を長期間動かさなかったことなども影響することがあります。

2023年に Journal of Manual & Manipulative Therapy に発表されたシステマティックレビュー(Kirker et al.)では、肩関節周囲炎(原発性)に対する徒手療法と運動療法の組み合わせについて、PubMed・Embase・Cochrane・PEDro・ClinicalTrials.gov を対象に網羅的に研究が収集・分析されました。RCT(ランダム化比較試験)と準実験的研究を対象に、Cochrane RoB2ツールとGRADEを用いて評価が行われており、手技と運動の組み合わせの頻度・強度・期間と効果の関係が整理されています。

東洋医学の視点では、気血の滞りを「流す」「巡らせる」ためには、経絡(けいらく)と呼ばれるエネルギーの通り道を整えることが重要とされています。肩まわりの経絡には、腕や首・背中へとつながる「手の少陽三焦経」「手の太陰肺経」などが走っており、これらの流れを整えることが肩の状態変化に関わると考えられています。

生活の中の「滞り」── 姿勢と日々の習慣のはなし

東洋医学では、身体の不調は日々の生活の積み重ねと深く関わると考えます。

長時間うつむいてスマートフォンを見る姿勢、冷房の効いた部屋での長時間のデスクワーク、睡眠不足や食の乱れ──こうした積み重ねが、身体の中の「巡り」を少しずつ乱していくと見ることができます。

特に、「冷え」は東洋医学において気血の流れを停滞させる大きな要因のひとつとされています。肩や首まわりを冷やしすぎない工夫、肩を動かす機会を日常に取り入れること、そして「身体の声に耳を傾ける」習慣が、肩の不調を遠ざける一助になると当院では考えています。

また、過度なストレスや精神的な緊張が続く状態は、「気の流れ」を乱し、筋肉の緊張として身体に蓄積されやすくなります。心と身体の調和を意識することも、肩まわりの状態を整える上で大切な視点です。

放置することで起こりうること

肩関節周囲炎は、放置すると「急性期→拘縮期→回復期」という経過をたどることが知られていますが、ケアをしないでいると拘縮期が長引き、日常生活の制限が1年以上続くケースも見られます。

東洋医学では、気血の停滞は時間が経つほど「深く・固く」なると考えます。夜間の痛みで十分に眠れないことが続けば、身体全体のリズムが乱れ、回復力にも影響が出ることがあります。早い段階で巡りを整え始めることが、身体に変化を生みやすいと当院では捉えています。

当院でのアプローチ── 整える・巡らせる・身体の調和を取り戻す

はくさん和鍼灸整骨院では、肩の不調に対して以下のようなアプローチを組み合わせています。

状態の確認と全体の把握

肩だけでなく、首・背中・腕全体の状態、姿勢のクセ、生活リズムなども確認しながら、身体全体の「滞り」がどこにあるかを把握するところから始めます。

手技によるアプローチ

関節の動きをサポートする手技(モビライゼーション、ストレッチングなど)を行いながら、組織の柔軟性を整えるよう働きかけます。前述のKirker et al.(2023)の研究が示すように、手技と運動の組み合わせが肩関節周囲炎のケアに重要とされており、当院でもこの考えに沿ったアプローチを取り入れています。

鍼灸による巡りへのアプローチ

鍼や灸を用いて、肩まわりの経絡の流れを整え、気血の巡りを取り戻すことを目指します。硬く緊張した筋肉や組織に働きかけることで、身体が本来持っている「整える力」を引き出す助けになればと考えています。

セルフケアのご提案

ご自宅でできる温め方や、肩まわりを無理なく動かすセルフケアについてもお伝えします。身体の状態に合わせた過ごし方を一緒に考え、日常生活の中でも巡りを意識していただけるようサポートします。

こんな方はぜひ一度ご相談ください

  • 肩の不調が3ヶ月以上続いている
  • 夜間の痛みで十分に眠れていない
  • 「四十肩は自然に改善する」と聞いたが、一向に変化を感じない
  • 肩だけでなく、身体全体が重くだるい感じが続いている
  • 病院で「様子を見ましょう」と言われたが、状態に変化を感じていない

身体の声に耳を傾け、今の状態を一緒に確認してみませんか。

まとめ

肩関節周囲炎(凍結肩・四十肩・五十肩)は、「年齢のせい」「しばらくすれば変化が出る」と思いがちですが、身体が「整えてほしい」と出しているサインかもしれません。最新の研究でも、手技と運動を組み合わせたアプローチが有用と示されており、東洋医学的な鍼灸ケアとの組み合わせで、身体の巡りを取り戻すサポートができればと考えています。

肩のつらさを感じている方は、ぜひはくさん和鍼灸整骨院へご相談ください。

参考文献

Kirker K, O’Connell M, Bradley L, Torres-Panchame RE, Masaracchio M. “Manual therapy and exercise for adhesive capsulitis: a systematic review with meta-analysis.” Journal of Manual & Manipulative Therapy. 2023; PMID: 36861780. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36861780/

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