膝の重だるさや痛み ── 変形性膝関節症と、気の巡りを整えながら向き合うアプローチについて
2026年06月30日
横浜市緑区白山にある、はくさん和鍼灸整骨院です。
「膝がどこか重だるい」「動き始めに膝がこわばる感じがある」「夜になると膝がじわじわと痛む」「天気が変わるたびに膝が気になる」──こうした膝のサインを感じている方は、少なくないと思います。
中高年の方に多いこの膝の変化は、「変形性膝関節症」と呼ばれる状態が関係していることがあります。今回は、西洋医学的な見方だけでなく、東洋医学の視点もまじえながら、この状態とどう向き合うかについてお伝えします。
変形性膝関節症という状態について
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで、骨や周囲の組織に変化が生じ、痛みや動きのつっかえ感が現れる状態です。英語では「Knee Osteoarthritis」と呼ばれ、世界的に非常に多くの方に見られる関節の問題の一つです。
西洋医学の観点からは、加齢・筋力低下・体重増加・姿勢のかたよりなどが背景にあるとされています。東洋医学の観点からは、「腎(じん)」の機能の低下や、下半身を流れる「気血(きけつ)」の停滞が関節の変化に関わるとされています。膝は「腎の経絡(けいらく)」が通る重要な場所であり、加齢とともに腎の機能が落ちると、骨・軟骨・関節周囲の組織が弱りやすくなると東洋医学では考えます。二つの視点を組み合わせることで、より深くこの状態と向き合うことができます。
こんな症状・変化に心あたりがありませんか
変形性膝関節症が関係するときに出やすいサインとして、以下のようなものがあります。
- 朝起きてすぐや長く座ったあと、膝がこわばってスムーズに動かせない
- 階段を上り下りするとき、膝に力が入りにくい・痛みが出る
- 歩いているうちに膝が重だるくなってくる
- 正座やしゃがみ込みが以前よりつらくなった
- 天気の変わり目や寒い日に膝の違和感が強まる
- 膝を曲げたときに音や摩擦感がある
こうした変化は、身体が「ここを整えてほしい」と発しているサインかもしれません。特に「天気の変化で症状が変わる」「冷えると膝が気になる」という方は、東洋医学的なアプローチとの相性が良いことがあります。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。
状態の背景にあるもの ── 現代医学と東洋医学の視点から
現代医学の視点
膝OAの主な背景には、加齢による軟骨の変化、太ももの筋肉(特に大腿四頭筋)の衰え、体重増加による関節への負担の増大、O脚などの下肢アライメントのかたよりなどが関係しています。「動かさないでいると筋肉が衰えてかえって悪化しやすい」という悪循環も起こりやすく、適切に動かしながらケアすることが大切です。
東洋医学の視点
東洋医学では、「腎の精(せい)」が骨・軟骨を養うとされています。腎の機能が低下すると、骨・関節が弱くなりやすく、さらに足腰の冷えや下肢の気血の停滞を招くと考えます。これが慢性的な膝のだるさ・こわばり・天気による症状変動として現れることがあります。また、「血(けつ)の滞り」は関節の変化とも関係するとされており、全身の気血の流れを整えることが、関節の状態を維持するうえでも重要と考えます。
最新研究が伝えること
2021年に学術誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に発表された研究では、変形性膝関節症の方を対象に、運動療法のみのグループと、徒手療法(手技による施術)を運動療法に組み合わせたグループを比較しました。
この無作為化比較試験の結果、徒手療法を加えたグループのほうが、痛みの強さ・膝の機能障害の両方において、より大きな改善が見られたことが報告されています(2週後・4週後の両時点での評価)。
当院では、この研究が示す「手技と運動の組み合わせ」という考え方と、東洋医学的な「気血の巡りを整える」視点を組み合わせたアプローチを行っています。身体の一部だけを見るのではなく、全体の巡りを意識したケアが、膝の状態と向き合ううえで大切だと考えています。
生活習慣が膝の状態に与える影響
身体の冷えと気血の停滞
冷えは東洋医学的には「寒邪(かんじゃ)」と呼ばれ、関節周囲の気血の流れを阻害するとされています。膝を温めることで血流が改善し、こわばりや痛みに変化が出ることがあります。特に冷房の効いた環境や冬場は、膝のケアを意識することが大切です。ひざ掛けやウォームアップの習慣を取り入れることが助けになります。
動かさない習慣と気の停滞
長時間のデスクワークやソファに座り続ける習慣は、膝まわりの筋肉や血流に影響します。東洋医学では「気は動くことで巡る」とされており、こまめに立つ・歩くといった習慣が、気血の流れを保つうえで大切です。
食事と内側からの巡り
東洋医学では「腎を養う食材」として、黒ごま・くるみ・山芋・黒豆・ひじきなどが知られています。身体の内側から気血を養う意識も、関節の健やかさを保つうえで一助となります。バランスの良い食事と、ご自身の身体の声に耳を傾ける習慣を大切にしてください。
放置によって起こりうる影響
「少し不便だけど我慢できる」という段階で放置していると、膝関節まわりの変化が進みやすくなり、以下のような影響が出てくることがあります。
- 膝の可動域が狭くなり、正座・しゃがみ動作がさらに困難になる
- 筋力の低下が進み、歩行バランスが崩れやすくなる
- 股関節・腰・足首への連鎖的な負担が増す
- 外出や運動が減って体力・筋力全体が落ちやすくなる
- 冷えやむくみなど下半身の気血の滞りがさらに進む
身体の変化は少しずつです。気づいたとき、身体の声に耳を傾けて向き合うことが大切だと、当院は考えています。
当院での施術のながれ
はくさん和鍼灸整骨院では、身体全体の状態を確認しながら、膝の不調と向き合うアプローチを行っています。
問診・状態確認
いつ頃から気になっているか、どんな動作で症状が出るか、冷えや疲れとの関係性、天気との関係など、東洋医学的な視点もまじえて丁寧に状態を聞かせていただきます。舌の色・脈の状態なども参考にしながら、全身の巡りの状態を把握します。
手技と運動を組み合わせた施術
膝関節まわりの組織へのアプローチ、太もも・股関節周囲の筋肉への施術、関節の動きを引き出す手技などを行います。状態に合わせて、鍼灸施術による気血の巡りへのアプローチもご提案することがあります。
身体の巡りを整えるケア
東洋医学的な観点から、膝まわりだけでなく足腰全体の気血の流れに着目したケアを行います。冷えへのアプローチ、日常生活での養生のアドバイスなど、身体の声に耳を傾けながら総合的に整えていくアプローチを大切にしています。
こんな方、ぜひ一度ご相談ください
- 膝のこわばり・重だるさが続いている
- 天気の変化や季節の変わり目に膝の違和感が増す
- 「年齢のせいだから」と放置してきたが、最近気になってきた
- 冷えと膝の不調の関係が気になる
- 西洋医学的なケアと東洋医学的なアプローチの両方を受けてみたい
- 膝だけでなく、下半身全体のだるさや巡りの悪さを感じている
身体の変化をサインとして受け取り、早めに向き合うことが大切です。膝の不調でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
変形性膝関節症は、現代医学的には軟骨の変化・筋力低下が背景にある状態ですが、東洋医学的には腎の機能低下・気血の停滞とも関係すると考えます。2021年の研究が示すように、徒手療法と運動療法の組み合わせは、痛みと機能の両面から良い変化をもたらす可能性が報告されています。はくさん和鍼灸整骨院では、現代医学と東洋医学の知見を組み合わせながら、あなたの身体の状態に寄り添うアプローチをご提供しています。膝の重だるさや痛みが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
Efficacy of Specified Manual Therapies in Combination with a Supervised Exercise Protocol for Managing Pain Intensity and Functional Disability in Patients with Knee Osteoarthritis
著者:複数著者(PMID: 33531832)
ジャーナル:International Journal of Environmental Research and Public Health
発行年:2021年



