「肘の外側のじわじわした痛み」 ─ 外側上顆炎(テニス肘)と鍼灸・手技で巡りを取り戻すはなし
2026年07月2日
横浜市緑区白山にある、はくさん和鍼灸整骨院です。
「肘の外側が、何かするたびにじわじわと痛む」「しぼる動作、持ち上げる動作で、肘の外側にズキッとした痛みが走る」「長時間使い続けた後、腕全体が重く疲れた感じになる」——そんな不調が続いているとしたら、それは身体が「整えてほしい」とサインを出しているかもしれません。
外側上顆炎(がいそくじょうかえん)、いわゆる「テニス肘」は、テニスをする方だけでなく、手首や腕を繰り返し使うすべての方に起こりうる状態です。東洋医学の考え方を取り入れながら、このお悩みに寄り添う施術を行っている当院から、その背景や対応のヒントについてご紹介します。
外側上顆炎とは? ─ 東洋医学的な視点から
肘の外側にある骨の出っ張り(外側上顆)に付着する腱に、繰り返しの負荷が加わって変性・損傷が起きた状態が外側上顆炎です。現代医学的には「腱の変性」が主体であることが多いとされています。
東洋医学の視点では、この部位は「大腸経」「三焦経」など、陽明経と呼ばれる気血の流れる経絡が走るルートにあたります。同じ動作を繰り返し、気血の流れが滞ると、その部位に痛みや重だるさとして現れることがある、という考え方があります。
もちろん、痛みの原因はひとつではありません。腱への物理的な負荷、姿勢や体全体の使い方のくせ、気血の消耗や滞りが複合的に絡み合って、症状として現れていると当院では捉えています。
よく見られる症状・特徴
外側上顆炎では、こんな症状が見られることがあります。
- 肘の外側を押すと圧痛がある
- 物をつかんだり、手首をひねる動作で痛みが出る
- 雑巾を絞る、ふたを開ける、タオルをしぼる動作がつらい
- パソコンやスマートフォンを使い続けた後に肘が重だるくなる
- 初期は動作時のみの痛みが、長引くと安静時にも不快感が続く
- 握る力が落ちたように感じる
- 冷えや疲労が重なると症状が悪化する傾向がある
原因として考えられる状態 ─ 最新研究の知見
繰り返しの動作による腱への負荷蓄積が外側上顆炎の主な背景です。前腕は手首の伸展や前腕の回旋(手を返す動き)に深く関わっており、これらの動作を繰り返すことで外側上顆付近に応力が集中しやすくなります。
東洋医学の視点では、体全体の気血の流れが乱れたり、疲れや過負荷が重なったりすると、局所的な回復力が落ちて症状が長引きやすくなる、という面も重視されています。
最新の研究(Tayyab M et al., Cureus 2025)では、外側上顆炎を含む各種腱症に対して「鍼やドライニードリングと運動の組み合わせ」が「運動単独」と比較して痛みの改善に有意な差をもたらしたことが報告されています(平均差 −2.14、95%CI −3.50〜−0.78)。4件のランダム化比較試験・255名を統合したこの知見は、鍼灸と運動を組み合わせたアプローチの有用性を示す根拠のひとつとして参考になります。
ただし、この研究は対象論文数が限られており、研究間のばらつきも大きいことが指摘されています。どのアプローチが最も合うかは個人の状態によって異なりますので、専門家のもとで状態を確認しながら進めていくことが大切です。
姿勢と生活習慣との深い関係
東洋医学では、特定の部位の不調を「その部位だけの問題」と捉えず、身体全体の調和という観点で見ることを大切にします。
たとえば、デスクワークが多く前屈みの姿勢が続いていたり、肩や首に慢性的な緊張があったりすると、その影響が肘や前腕に波及することがあります。睡眠の質が落ちている、食事が偏っている、ストレスが多いといった状態も、気血の流れを乱し、回復を遅らせる要因になることがあります。
「肘だけが悪い」のではなく、「身体全体のバランスが崩れた結果として、肘に症状が出やすくなっている」という見方が、東洋医学的なアプローチの根底にあります。利き手側に症状が出やすい傾向がありますが、非利き手側に出る場合でも、利き手をかばうために無理に使っていることが原因になるケースもあります。身体の声に耳を傾け、全体を巡らせる視点で向き合っていくことが大切です。
放置すると起こりうること
外側上顆炎を「少し痛い程度」と放置していると、腱への変性が進んで慢性化することがあります。慢性化すると、安静時にも不快な感が続いたり、日常動作のほぼすべてに痛みが伴う状態になったりすることもあります。
また、痛みをかばうことで手首・肩・体幹への影響が連鎖し、「肘だけの問題だったはずなのに、肩まで重くなってきた」という状態に発展するケースもあります。身体の声に早めに耳を傾け、変化のサインを見逃さないことが大切です。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。
はくさん和鍼灸整骨院での対応について
当院では、外側上顆炎でお越しいただいた場合、まず全身の状態を確認することから始めます。どの動作で痛みが出るか、肘周囲のどこに圧痛があるか、肩・首・胸椎の動きはどうか、疲れや睡眠の状態はどうか——これらを丁寧に確認したうえで、鍼灸と手技を組み合わせたアプローチを行います。
鍼灸では、大腸経・三焦経などの経穴(ツボ)へのアプローチを通じて気血の流れを整え、局所の回復を促すことを目指します。手技では、肘周囲の筋肉・腱への直接的なケアのほか、肩や胸椎の可動域改善に向けた施術も行います。
セルフケアのアドバイスも大切にしており、日常生活での動作の工夫や、家でできる簡単なケアの方法もお伝えしています。「整える」ことを日常の中に意識していただけるよう支援しています。
こんな方は一度ご相談ください
- 肘の外側の痛みがなかなか落ち着かない
- しぼる・握る・ひねる動作で繰り返し痛みが出る
- 「テニス肘かも」と言われたが、どうすればよいかわからない
- 冷えや疲れが重なると症状が悪化する気がする
- 肩こりや首の張りも一緒にある
- 鍼灸や手技でのアプローチに興味がある
まとめ
外側上顆炎(テニス肘)は、身体の使い方の積み重ねと気血の巡りが関係している状態です。「整える」という視点で、鍼灸と手技を組み合わせながら身体全体の調和を取り戻すことを目指します。
はくさん和鍼灸整骨院では、一人ひとりの状態に寄り添いながら、丁寧な施術を心がけています。「肘の痛みが気になっている」「身体の声に耳を傾けてみたい」と思っている方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
Tayyab M, Ahmad Z, Tanveer M, et al. Effectiveness of Dry Needling Combined With Exercise Versus Exercise Alone in Various Tendinopathies: A Systematic Review and Meta-Analysis. Cureus. 2025. PMC12538665. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC12538665/



